7)ななななぁ〜〜んと!「ベンツ」だぜ
国産は良く出来ていて(?)、5年以上乗るとどこかしら変になってくるのです。
類に漏れずビガー君。シートが極端に辛くなってきました。都心までの1時間一寸で
腰は痛いは肩は凝るわ、もう大変。座布団を折って挟んでもダメ。そろそろかなぁ!
・・何て言っている 1986年秋、息子が誕生致しました。こうなるともう親ばかです。
妻の方が通常、運転回数が多いので(私はビクタースタジオの契約社員、電車通勤)、
子供と一緒に二人での移動。先ず安全性!次に経済性! 悩みました。
その時力になってくれて後押ししてくれたのが、当時ビクタースタジオに居た「館くん」
彼はめっぽう車に詳しく、相談すると、『ガソリン車よりもディーゼル車。安全性と
総合評価で、Mercedes Benz 190D 2.5、これしかない』と明言されてしまいました。
え?べ、べんつ???うっそぉー。そんな、そんな・・・と思っていたのもつかの間、
調べれば調べる程、彼の言っている意味が分かってきました。

今は完全にトヨタ化しちゃったベンツ社に当時の面影はだいぶ減ってしまいましたが、
この時はまだまだ、しっかりとしたポリシーを持って製造されていました。

つまり、この190シリーズは対米輸出政策で、アメリカが「省エネ」を提唱した時期に
Sクラスの燃費の悪さをカバーすべくスモールベンツを作り、法合致させていたのです。
ですので190シリーズはSクラスの技術力を凝縮した形で作られており、内装シート材、
使用している鋼板や細かな所まで、Sクラスが生きているのです。
座ってみると色々な所が全て理詰めで作られていて笑っちゃう程。
実用本位ではあるが、車本来の「目的」、走る、曲がる、止まる。これが驚く程素晴らしい!

走りは取り敢えずさておき、まず曲がる機能;
ハンドルを切っている時に正面から見ると驚きます。何とタイヤが斜めに傾くのです。
この機能の恩恵で、驚く程狭い道にも苦もなく入って行けるわけです。

止まる機能;これも驚き。絶対に国産車だったら無理!ってなパニックブレーキでも
すんなり停止。「何なのこれー」状態です。
特にHONDAから乗り換えたからでしょうか?滅茶苦茶感じました。

そして、ディーゼル。100年の歴史があるディーゼル先進国の作るエンジンは凄い。
ディーゼルエンジンって普通「うるさい」「臭い」「遅い」「黒い排気ガス」と、
燃費の良さと反比例した、悪〜〜い印象がつきまといます。これらは確かに私も同感。
でも、メルセデスのディーゼルは驚愕です。
エンジンを掛けた瞬間、ちょっとガソリンとは違うな、と思う程度で、静か。
走りも普通に走る分には充分すぎる程の動力特性。とても100PS無いとは思えません。
ビックリしました。
燃費も驚き。ある時、中央高速で名古屋まで走り、豊川近辺を2、3泊して帰路、東名の
静岡あたりで給油。40リッター(\2,800位)凄いよね!
別に「エコラン」していた訳でも無し、高速ではまわりのガソリン乗用車をしのぐ
早めの車の巡航速度+α程度でガンガンガシガシ走ってですよ。
そう、ついでですが高速安定性も半端じゃありませんでした。120km/hあたりからの
安定性は、まさに速度無制限のアウトバーン仕様ですよね。ベンツ社の考えとして、
「ディーゼルだから質感を落とす」ってな日本車メーカーのような事は全くなく、
むしろ防音材や防震材がまんべんなく注入されて、かえって開発費がかかっているだろうに
価格はガソリン車とほぼ同額。これも日本車と全く違い、素晴らしい。

理詰めでなるほど、と思った点を他にもいくつか列挙させて下さい。
1)重いアクセルペダル:急加速しないようにこうなっている。尚かつ軽く踏んでいくと
 セカンド発進。急加速したい時は奥まで踏み込むと別スイッチが入り1速発進!
2)ボンネット:通常整備時は45度程度にしか開かないが、奥を整備する時とかは
 何と90度!垂直になっちゃいます。
3)正確な外気温計:外気が零度を下回った時に運転注意を促す目的でメーター中央、
非 常に見やすい位置にあり、絶えず視線に入るようになっている。
4)手首の位置で分かるシフト位置:今では特許独占期限が切れて各社こぞって真似をしているが、
 本家はやはり格段の違いがあります。あのギザギザの位置と角度が絶妙なんでしょうね。
 オートマですが、マニュアルシフトする時もあの微妙な角度で手を乗せているだけで、
 何速か、前を向いたままで気軽に変速出来る。凄いです。
 (通常の車のオートマは縦に一直線の為、今何速に入っているか全く分からない)
5)大径のハンドル:パワーステアリング機構がダメになっても制御可能な為だそうだ。
6)ドアロック:時速20km/h以上になると全ドア自動ロックされるが、中からは
 どんな時でも内側ドアハンドルだけで開く。(中で男性が悪い事はたくらめませんゾ)
7)外側ドアノブ:手先を引っかけるタイプではなく、グリップタイプ。非常時に外から
 救助し安い為の配慮。
8)これは技術力だが、驚異の1本ワイパー:1本でフロントウィンドーの80%以上を拭く!
9)・・・・・・・・・・
等々、数え上げたらキリがありません。敬服致しました。

 

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