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Recording Equipments

ここで、取り敢えず楽器の音が並びました。 ・・・でも、これだけでは、音楽になりません。
各楽器の音量、定位(それぞれの楽器を、左右のどの位置に置くか)を決め、
そして大事なのは、「リバーブ」と呼ばれる残響付加装置(?)をかけます。
スタジオ内は、多くの場合後で加工しやすいように響かない「デッドという」構造の場所が多い
ですので、マイクから拾う音は響きのほとんど無い、楽器そのものの音なのです。
リバーブを掛ける事によって、小さい部屋で演奏しているのか、
巨大なホールで演奏しているのかの、シミュレートを行います。
曲の性格を考えて各楽器毎に分量を決めていきます。


「リバーブ」
最近はデジタルリバーブもかなり種類が増えました。
使う方によって非常にまちまちで、どれが良いかは千差万別ですね。
でも長年使ってみて、制作サイド、ミュージシャン受けの良いモノは限られると思います。
私は、Lexicon PCM 80【4-1】、ZOOM 9200【4-2】と、EMT 140、Lexicon 480を
デフォルトの基本セットとして立ち上げて貰い、必要に応じて他の機種も増設していきます。
Lexicon PCM 80【4-1】
ZOOM 9200【4-2】


ここまで準備が出来たら、ミュージシャン皆さんで演奏して貰い、
なるべく1曲演奏中に「音楽」になるようバランスを整えます。
大体の仕事では、ここまでの作業をほぼ1時間以内にやらなければなりません。キツイね!


これら楽器の個別の音は、通常個別のままSONY 3348 Digital Multichannel Recorderに
録音します。例えばのトラックわけを載せますが、人によって使い方はまちまちです。決め事は
全くありません。

3348 Track Sheet Sample

SONY 3348

・・・ここで気づいた方は素晴らしい!
バランスをこのあたふたした事態に、2カ所同時に取らなくてはならないのです。
つまり、3348の各channel毎にクリップしないよう適正な音量で送るバランス。
そして3348から戻ってきた個別の音に対してのバランス取りです。
先程の「定位」「リバーブ」等はこの3348から戻ってきた音に対してバランスを取っていたのです。
最終的なミックスダウンを考慮しながら行います。これを「モニターバランスを取る」と言います。
これに対し、3348に送るレベルバランスは「インプットレベルバランス」と言います。


演奏は通常演奏者全員ヘッドホン(イヤホン)を装着して行います。
ですので、みなさんが演奏しやすいよう、ヘッドホンバランスに絶えず気遣うことを心がけます。


そう言えば、忘れておりました。音を聞く為の必需品!モニタースピーカー。
スタジオ毎に特徴のあるスピーカーが各々設置されています。
しかし、毎日違うスタジオを渡り歩く小生のようなフリーの立場からすると、
リファレンス(基準)となる音が必要となります。何処へ行ってもほぼ同様な音質で
聴く為には、自前のスピーカーシステムが必要になってくる訳です。
フリーになって最初に捜したのはこれでした。
私の好みとしては、派手すぎず地味すぎず、それでいて個々の楽器のエッジが見えて
尚かつ奥行き感の表現まで出来るモニターシステム(欲張り)がイイなぁ・・・?

ある人から「KRK」を紹介して頂きました。全く聴いた事のないメーカーでしたので眉唾!
当時最小の703Cを借り、自宅にて試聴した所「素晴らしい!」の一言。即買い!
それ以来かれこれ12年、毎日素直な音を奏で続けております。【7-2】
ちなみに、これを駆動する推奨アンプが「Audire Forte」と又聞いた事のないヤツ!
でも、換えたとたん、ビックリする程質感が変わり、より自然な音質音場感になりました。
驚異!!! 27kgですが、頑張って持ち歩いております。【7-1】

【7-1】Audire Forte
【7-2】KRK703C

そうこう言っている間に何度か演奏して、基本的OKのベーシックトラックが完成しました。
演奏を間違えたり、ノリの悪い場所があると、ミュージシャン本人かアレンジャーかディレクターの
指示により、部分的にやり直します。「パンチイン・アウト」と呼びます。
これは、3348をオペレートしているスタジオのエンジニアとミュージシャンの息を合わせて
部分録音します。


全員で聴いてみて問題なければ、ミュージシャンは帰っていきます。
その後、ラフミックスを作り、その日の作業を終えます。

この後、楽器のダビング、Vocal 録り、ミックスダウンと作業工程毎、実際使用している
機材名を織り込んで説明していく予定です。乞うご期待!!!

注記:文中に出てきた【数字】は、録音機材リスト中のNo.です。参照ください。

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